美味しいアイスティーとは!?いったいどんなアイスティーのことでしょう。
味はもちろんのこと、グラスに淹れるアイスティーは見た目も大切です。濁らず透き通ったアイスティーは、夏の暑い日だけでなく、年中飲みたい!!という気持ちにさせてくれます。
また、ワインと一緒に食事を楽しむように、アイスティーはお肉料理やお魚料理ととても相性がいいのです。
今回は氷に濃い紅茶を一気に注ぎ、熱を急速に下げる「オンザロックス形式」のアイスティーを作りたいと思います。
アイスティーは2倍の濃さの紅茶が必要となります。茶葉を2倍にするのではなく、氷が溶けることを考えて、水(熱湯)をストレートティーを淹れる時の半量にします。
ぜひ淹れ方を覚えていただき、アイスティーのある生活を楽しんでくださいね!!
・見た目が透き通る綺麗な美味しいアイスティーを淹れたい方
・基本のストレートティー以外の淹れ方で、ティータイムのバリエーションを増やしたい方
【準備するもの】
◎熱湯(ポットをあらかじめ温めるための熱湯も含みます)
◎茶葉
◎氷
◎やかん/電気ケトル
◎メジャースプーン/ティースプーン
◎計量器(事前に茶葉を量っておきましょう)
◎砂時計/キッチンタイマー
◎茶こし
◎ティーポット(抽出用)
◎ティーポットまたは耐熱容器
◎グラス
◎マドラー
【分量】
◎熱湯:1杯分 70~80cc
◎茶葉:1杯分 大きい茶葉はティースプーン大盛り1杯約3g、細かい茶葉は中盛り1杯約2.5g~3g
◎氷:(グラスの上まで入れます)
【アイスティーにおすすめの茶葉】
◎ニルギリ、ディンブラ、キャンディ、アールグレイ
【アイスティーの淹れ方】
①熱湯を沸かす
②茶葉をポットに入れる
③熱湯を注ぐ
④茶葉を蒸らす
⑤茶こしを使い別の容器に移す
⑥グラスに氷を入れ紅茶を注ぐ
⑦マドラーで混ぜる
これから詳しく説明していきます。
①熱湯を沸かす
水道から勢いよく水をやかんに注ぐと空気がたくさん含まれた新鮮な水となります。
紅茶は高温で淹れることが重要です。この高温こそが紅茶の成分をしっかり抽出し、美味しさを引き出してくれます。
【水道水で淹れることをおすすめします】
紅茶を美味しく淹れるには軟水がいいとされており、紅茶本来の味・色・香りが引き出される日本の水道水は適していると言われております。
ミネラルウォーターなどで淹れると紅茶の色の水色(すいしょく)や香りが変わってきてしまうため、紅茶を淹れることに慣れるまで、まずは水道水で淹れてみましょう!!
そして長時間沸騰し続けているお湯も酸素がなくなってしまい、紅茶の成分が十分に抽出されないので気を付けてください。
②茶葉をポットに入れる
あらかじめ温めておいたポットに茶葉を入れます。
(冷たいポットに熱湯を注ぐと急に温度が下がってしまい紅茶の成分が抽出されず、風味も損ねるため、ポットはあらかじめ温めておきます。)
③熱湯を注ぐ
2倍の濃さの紅茶を作るので、ストレートティーより半量の熱湯をポットに注ぎます。
ジャンピング(茶葉が開くときに起こる運動)が起こるよう、20~30cm高いところから勢いよく注ぎます。
【ジャンピングについて】
新鮮な沸かしたての熱湯を勢いよく注ぐと、茶葉が上下に動きます。この茶葉が開くときに起こる運動をジャンピングと言い、紅茶の成分がしっかりと抽出される大事な工程となります。
④茶葉を蒸らす
ストレートティーよりも短く蒸らすことがコツとなります。
⑤茶こしを使い別の容器に移す
ティーポットまたは耐熱容器などの別の容器に移し替えます。ホットのストレートティーを淹れる時のように、最後の一滴まで抽出しなくてよいです。
甘みを付ける場合はこの段階でグラニュー糖を入れます。
【最後の一滴まで抽出しなくてよいです】
ストレートティーは最後の一滴のことを「ゴールデンドロップ」または「ベストドロップ」と言うくらい大事な工程で、味が締まると言われております。アイスティーの場合は、クリームダウンを防ぐため、ポットに紅茶が少し残るくらい軽めに抽出するようにしましょう。
⑥グラスに氷を入れ紅茶を注ぐ
グラスに氷をたっぷり入れ、急速に冷やすために手早く注ぎます。
高温の紅茶と氷の温度差で、グラスにひびが入ったり割れないように、氷に当てながら注ぐようにしてください。
⑦マドラーで混ぜる
氷が溶けてくるので追加の氷を入れるとよいでしょう。
【オンザロック形式はその場で飲むのが美味しいです】
アイスティーを大量に作り冷蔵庫で保管したい気持ちもわかるのですが、冷蔵庫の中で段々と紅茶が冷やされると、クリームダウンし風味の落ちたアイスティーになってしまいます。できれば完成後にそのまま飲むことをおすすめします。または冷蔵庫に保管せず、常温で置いといて早めに飲むようにしましょう。
美味しく淹れるポイントのまとめです。
◎お湯の量はホットティー(ストレートティー)の場合の半分にする
◎蒸らし時間をやや短めにする
◎氷たっぷりのグラスに注いで一気に冷やす
【クリームダウンについて】
透明感のあるアイスティーを作るにはクリームダウンにならないようにすることが大切です。クリームダウンとは紅茶が冷えてタンニンとカフェインが結合して白く濁って見える現象のことを言います。
飲んでも害はありませんが風味は落ちます。
クリームダウンを防ぐには、グラニュー糖を加える、タンニンの含有量の少ない茶葉を使う、蒸らし時間を短くする、ベストドロップまで抽出しないなどの方法があります。
【透き通ったアイスティーにおすすめの茶葉】
濁りがない透き通ったアイスティーを作るには、タンニンという成分が少ない茶葉を使うことが大切です。下記の茶葉はアイスティーに向いていると言われております。
◎ニルギリ、ディンブラ、キャンディ、アールグレイ
【透き通ったアイスティーに向かない茶葉】
下記の茶葉は、一般的にタンニンを多く含まれている茶葉と言われており、アイスティーにするとクリームダウンになる可能性があります。
しかし、クリームダウンしてもミルク(牛乳)を入れてしまえばわからなくなるので、アイスミルクティーで楽しむという方法もあります。
◎ダージリン、アッサム、ウバ、ヌワラエリヤ
【アイスティーの始まり】
ここでティーブレイク!!
今から約100年ちょっと前のことです。1904年アメリカのセントルイスで開かれた万国博で、イギリス人のリチャード・ブレチンデンは紅茶を出品し宣伝していましたが、7月の真夏日に熱い紅茶を勧めても飲みたいと思う人は誰もいませんでした。そこで彼は紅茶の中に氷の塊を入れ冷たい紅茶にしたところ、大勢の人が集まり大人気になったのです。こうしてアイスティーは段々と世に受け入れられるようになっていきました。
【日本はアイスティーを楽しめる国】
どういうことかと言いますと、実は、紅茶の文化が盛んなイギリスや、紅茶の生産地で有名な熱帯国のインドやスリランカではアイスティーを飲む習慣がありません。
イギリスでは紅茶は熱いものを飲むのが正統であることから、伝統を重んじるイギリス社会ではなかなか浸透しませんでした。
インドやスリランカでは、アイスティーが嫌いだからというわけではなく、生水の飲めない国なので、氷は特別にミネラルウォーターを使って工場で製氷しなければいけません。そんな氷はとても高価で貴重なため、紅茶のように気軽に毎日飲む飲料に使うのはとても惜しい気がしてしまうのです。
日本の場合は、水は生水をそのまま飲料にすることもでき、その水を氷を作るのに使うこともできるのでとても安価です。上記の国々と比べると、日本はアイスティーを楽しむことのできる恵まれた国と言っていいかもしれません。
【あとがき】
いかがでしたか。このオンザロックス形式は、熱い紅茶を急冷させるため、紅茶の風味がしっかりと生きた美味しいアイスティーになります。そして、グラスに注ぐとわかるのですが、綺麗に透き通ったアイスティーが出来上がるととても嬉しくなります。ぜひ年中飲みたくなるようなすっきりと爽やかなアイスティーを淹れて、素敵なティータイムを過ごしてくださいね!!