紅茶の基本

自分のために美味しい紅茶を淹れてみませんか?~基本のストレートティーの淹れ方~

ティーバッグで紅茶を淹れることに慣れたら、次はティーポットで紅茶を淹れることに挑戦してみませんか?

これからご紹介するのは、紅茶を好きになったらぜひ覚えていただきたい基本となるストレートティーの淹れ方です。

「ポット トゥ ポット」と呼ばれ、ポットで茶葉の抽出を行った後、一旦別のポットに茶葉を濾して移し替える方法です。

茶葉が入ったままだと、時間が経つにつれ濃くなってしまいますが、このひと手間を行うことで濃さを均等に保つことができ、ゆっくりとティータイムを楽しむことができます。

ぜひ淹れ方を覚えて紅茶生活をより豊かなものにしていきましょう!!

この記事はこんな方におすすめです

・これから紅茶生活を楽しみたい方
・普段ティーバッグは飲むけれど、ティーポットで紅茶を淹れて飲みたい方

【ポット トゥ ポットの淹れ方について】

「ポット トゥ ポット」は抽出用のティーポットからティータイム用のティーポットに移し替えるので2つ必要になります。

もちろん1つのティーポットで抽出して、そのまま飲むことができますが、下記のようにそれぞれメリット・デメリットがあります。

【ティーポットが2つある場合】
◎メリット:時間が経過しても濃さを均等に保つことができ、渋みもより抑えることができるため、ゆっくりとティータイムを楽しむことができます。
◎デメリット:ティーポットを2つ用意しないといけないので、手間と感じるかもしれません。

【ティーポット1つの場合】
◎メリット:ティーポットが1つなので、2つ用意するのとは違い手軽に紅茶を淹れることができます。
◎デメリット:茶葉がずっとティーポットに入ったままなので、より濃く渋く感じるかもしれません。

※おすすめは、美味しい紅茶をより長い時間楽しむことができる、ティーポットを2つ用意した「ポット トゥ ポット」の淹れ方です。

【準備するもの】

◎熱湯(ポットとカップをあらかじめ温めるための熱湯も含みます)
◎茶葉
◎やかん/電気ケトル
◎メジャースプーン/ティースプーン
◎計量器(事前に茶葉を量っておきましょう)
◎砂時計/キッチンタイマー
◎茶こし
◎ティーポット2つ(抽出用とティータイム用)
◎ティーカップ

【分量】

◎熱湯:1杯分180cc 
◎茶葉:1杯分:大きい茶葉はティースプーン大盛り1杯約3g、細かい茶葉は中盛り1杯約2.5g~3g

【例:2杯分淹れたい場合】熱湯:360cc、茶葉:大きい茶葉 約6g、細かい茶葉:約5g~6gとなります。

【ストレートティーの淹れ方】

ストレートティーの淹れ方

①ポットとカップをあらかじめ熱湯を注いで温めておく
②熱湯を沸かす
③茶葉をポットに入れる
④熱湯を注ぐ
⑤茶葉を蒸らす
⑥軽く混ぜる
⑦ポットに注ぐ
⑧カップに注ぐ

これから詳しく説明していきます。

①ポットとカップをあらかじめ熱湯を注いで温めておく
冷たいポットやカップに熱湯を注ぐと急に温度が下がってしまい紅茶の成分が抽出されず、風味も損ねるため、あらかじめ温めておきます。カップも温めておくことにより、飲むときに温度が下がらないようになります。

②熱湯を沸かす
水道から勢いよく水をケトルに注ぐと空気がたくさん含まれた新鮮な水となります。
紅茶は高温で淹れることが重要です。この高温こそが紅茶の成分をしっかり抽出し、美味しさを引き出してくれます。

【水道水で淹れることをおすすめします】
紅茶を美味しく淹れるには軟水がいいとされており、紅茶本来の味・色・香りが引き出される日本の水道水は適していると言われております。
ミネラルウォーターなどで淹れると紅茶の色の水色(すいしょく)や香りが変わってきてしまうため、紅茶を淹れることに慣れるまで、まずは水道水で淹れてみましょう!!

【ミネラルウォーターで淹れた場合】
◎超軟水のミネラルウォーター
 ~水色(すいしょく)~:より薄く明るく感じる
 ~香り~:より鋭く繊細な味に感じる
◎硬水のミネラルウォーター
 ~水色(すいしょく)~:より濃く黒く感じる
 ~香り~:渋さがなくまろやかに感じる

③茶葉をポットに入れる
①でポットを温めた湯を捨て、ティースプーンで杯数分の茶葉を入れます。
もしこの時、ティータイム用のポットを温めていなかったら、このお湯を捨てないで移してもよいでしょう。

④熱湯を注ぐ
沸騰直後の熱湯を杯数分手早く注ぎます。
ジャンピング(茶葉が開くときに起こる運動)が起こるよう、20~30cm高いところから勢いよく注ぎます。

【ジャンピングについて】
茶葉は熱湯に蒸らすことによって、味・色・香りが抽出されます。抽出されるメカニズムは茶葉がジャンピングの運動を起こすことで、成分が抽出され、紅茶の美味しさが表れます。

具体的にジャンピングは、新鮮な沸かしたての熱湯を勢いよく注ぐと、茶葉は上部に浮かび上がってきます。そして数分後、雪が降るように下に落ち、一部の茶葉はまた上に浮かび、やがてすべて底に沈みます。
つまり茶葉が上下に動くことを言います。

【ジャンピングが起こらない場合】
◎熱湯の温度が低い場合:茶葉は水分を吸収できず、対流が起こらないので浮き上がったままになります。
◎長時間沸騰させたり、沸かし直した熱湯の場合:水分中の酸素が失われて対流が起こらないので、水分を吸収した茶葉は底に沈んでしまいます。

茶葉の入ったポットに熱湯を注いでいる写真
▲20~30cm高いところから空気を含むように勢いよく注ぎます。

⑤茶葉を蒸らす
細かい茶葉は2~3分、大きい茶葉は3~4分ほど蒸らします。
基本は、茶葉を購入したパッケージに記載されている時間を蒸らすとよいでしょう。
蒸らしている間、ティーポットのお湯を、金属のにおいを取り除くために茶こしに湯通ししておきましょう。

ポットの中の茶葉を蒸らしている写真
▲蒸らしている間、ポットの中ではジャンピングが起きています。

⑥軽く混ぜる
全体を均一にするためにスプーンで軽くひとかきします。ポイントはひらがなの「し」の字を書くようにひとかきします。
混ぜすぎると余分な渋みが出てしまうので注意しましょう。

ポットの中の茶葉を軽く混ぜている写真
▲ひらがなの「し」の字を書くように、軽くひとかきします。

⑦ポットに注ぐ
茶こしを使い、温めておいた別のポットに注ぎます。
「ゴールデンドロップ」または「ベストドロップ」と呼ばれる最後の一滴まで注ぎます。
紅茶の味を引き締める一滴となります。

茶こしを使い、別のポットに紅茶を注いでいる写真
▲最後の一滴までしっかりと抽出しましょう。味が引き締まります。

⑧カップに注ぐ
①で先に温めておいたお湯を捨て、紅茶をカップに注いだら完成です。

ストレートティーが完成した写真
▲美味しくできた紅茶は、味・香り・水色が強く、旨味や甘味を楽しむことができます。

【おすすめのティーカップについて】
紅茶を飲むのにおすすめのティーカップは、内側が白く、直径が大きい浅い形がよいでしょう。香りが広がりやすく、水色(すいしょく)や香りも楽しめます。
美味しく淹れ、お気に入りのティーカップで飲む紅茶は、至福の時間になること間違いなしです。

美味しく淹れるポイントのまとめです。

美味しく淹れるポイント

◎ポットとカップは温めておく

◎お湯は水から沸騰させる

◎茶葉をきちんと量る

◎しっかり蒸らす

◎最後の一滴まで注ぐ

【あとがき】

いかがでしたか。以前、紅茶教室に通っていた頃、「美味しい紅茶の淹れ方を知らないと、ただ茶色く色のついたお湯を飲んでしまうことになります。」と言われたことがあり、ハッとしたことがあります。

このストレートティーの淹れ方をマスターすることにより、香り、味(爽快感と渋みとコク)、水色(できあたっが紅茶の色)のバランスがとれた美味しい紅茶を飲むことができるようになります。

まずは自分のために。この基本の淹れ方を覚えて、ホッと安らぐティータイムを過ごしてくださいね!!

ABOUT ME
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Kayo
紅茶が大好きな一児の母です。ドタバタな毎日の中の数分のおうちでのティータイムに幸せを感じております。将来は自分のお気に入りの手作りを色々と集めた小さな紅茶教室を開くことが夢です。より多くの方が気軽に紅茶を楽しめるような情報を発信していきたいと思います。